Windows PC の音質に「少しだけ」こだわってみる

私は音楽データの管理は iPhone や iPad との兼ね合いもあって、普段は Mac の iTunes で行っており、パソコンでオーディオデータを楽しむときはもっぱら Mac を使用しているのですが、普段の PC の作業は Windows マシン (Windows 8 Pro) で行うことが多く、Youtube でミュージック・ビデオを視聴したり、Sound Cloud の音源を楽しんだり、DVDやブルーレイを観たり、なども Windows 上で行うことがほとんどです。ですので、少しだけ Windows PC の音質にもこだわってみたくなりました。これまでは、Logitec の安価なPC用スピーカーにつなげて音を出していたんですが、今回少し改善を試みてみました。もちろん、PCオーディオの世界はとても奧が深く、とことんこだわろうとすると相当の出費や根機や熱意も必要だと思いますが、今回は本当に入り口だけを、Web上の情報を参考にしながら、「少しだけ」こだわってみました。

行ったのは基本的には以下の3つの作業。

1) スピーカーの買い替え
2) USB-DAC の導入
3) 再生ソフトの変更

以下に順に今回の作業のメモを取っておきます。

1) スピーカーの買い替え

音質的に改善をもっとも感じることができるのは、音の「出口」であるスピーカの買い替えです。今回導入したのは ONKYO GX-500HD。PC 用のスピーカーとしてかなり定評のあるパワードスピーカーで、アンプも内蔵されています。最新のものではないので、販売当初より幾分安く買えると思います。ヤフオク などでも入手できます。

2) USB-DAC の導入

良質なサウンドチップ搭載のサウンドカードや、USB-DAC の導入も、高音質でPCデジタル・オーディオを楽しむには必須の条件だと言えると思います。ノイズの影響を受けやすいPC内部でのデジタル→アナログの変換 (DAC: Digital to Analog Converter) の作業を、別途 DAC で行わせることで、よりクリアなサウンドが期待できます。

私は USB-DAC は先日の記事 (RASPBERRY PI + LXU-OT2 + LXA-OT3) でも使用したオーディオ雑誌 Stereo の 2013年1月号 の附録 LXU-OT2 をつなげてみました。本当はここにもう少しお金をかけたいところなのですが、それもおりおりということで。

[追記 2015/04/05]

FOSTEX の USB-DAC とヘッドホンアンプ・ライン出力を搭載したボリュームコントローラー PC100USB を購入してみました (公式サイト: http://www.fostex.jp/products/pc100usb/)。

DAC は LXU-OT2 と同じ PCM2704 が使用されているので、音色的にはかなり近いのですが、LXU-OT2 と比較すると少し低音が強調され、その分、中・高音部がほんの少しぼやけてしまうような印象を受けました。私は LXU-OT2 はオペアンプの交換などして音色の違いを試したことがあって、結局アナログライン出力のアンプ部をデフォルトの NJM4558D から MUSES8820 に交換していました。PC100USB の音が少し「派手」に感じたのは、LXU-OT2 が自分好みの音だったという影響もあるんだと思います (PC100USB のオペアンプは NJM3414A)。また、購入したばかりなのでエージングも必要なのかもしれません。

しかし、PC100USB は「USB-DAC搭載のボリュームコントローラー」という位置づけで、確かに手元にボリュームコントローラーがあるとかなり便利です。とても小型でデスクのスペースも取りません。コストパフォーマンスも高く、低予算でPCオーディオの利便性や音質の改善を望むには理想的な製品だと思います。しばらくこのコントローラーを DAC として使用してみたいと思います。

3) 再生ソフトの変更

再生ソフトの選択によっても音質に変化があります。定番の foobar2000 を導入してみました。プラグインの追加で多くの拡張機能が追加できるようです。foobar2000 は WASAPI (Windows Audio Session API) 排他モードに対応しているので、最低限そのプラグインだけ導入しておきます。排他モードで再生するとカーネルミキサー (オーディオエンジン) を回避して出力できるので、音質的に有利になります。

まず、Windows 側で、コントロールパネルのサウンドでスピーカーを選び、排他モードにチェックが入っていることを確認しておきます。

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foobar2000 公式サイトComponentsページ から WASAPI output support をダウンロード・インストールしておきます。foobar2000 の Preferences: Components に WASAPI output support が追加されたことを確認しておきます。

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同じく Preferences の Playback の Output にある Deviceのプルダウンメニューの中から WASAPI の記載のあるハードウェアを選択しておきます。

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その他

高音質なデータ形式での音源の取り込み

高音質なデータ形式での音源の取り込みもPCデジタル・オーディオの場合、重要な要素となります。私は上にも書いたとおり、普段 Mac の iTunes でデジタルデータ管理しているので、可逆圧縮方式のオーディオコーデック ALAC でデータの取り込みを行っています。foobar は FLAC にも対応しているので、iTunes を普段使用しないのであれば、FLAC や WAV で管理した方が汎用性は高いと思います。

また、データ保存の場所は、外付けのHDD や NAS に置いた方が再生にPCを経由しないために、音質的に有利になると言われています。私は 自作した NAS に置くことにしているので、データ自体は Mac と共有しています。

インシュレーターの導入

インシュレーターとは、スピーカーなどから生じる振動を抑えるために使用されるもので、高価なものは驚くような値がつきますが、私はひとまずスピーカーを置いた台との振動がひどかったので、安価なものを購入して間にかましました。

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サブウーファーの導入

上記の構成では、低音が少し物足りなかったので、同じ ONKYO のサブウーファー (SL-A250) も導入しました。

低音があると、とりわけ DVD 再生時の臨場感や迫力がぐっと増しました。PC で映画を観ることが多いなら、サブウーファーの導入もおすすめできると思います。

動画再生の WASAPI 対応ソフトは HPC-HC が利用できます。設定は右クリックの Options から Playback の Output にある Audio Renderer を MPC-HC Audio Renderer に設定します。

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高音質ヘッドフォンの導入

良いヘッドフォンを選択すると幸せになります。私は今年のはじめ頃、うっかり長年愛用していたヘッドフォンを失くしてしまい (忘れ物顛末記)、それを機に少し良いものを新調しました。購入したのは AKG K712PRO です。ハーマン社 が円安の影響で今年2月から大幅に値上げを予定していたので、それも購入する動機となりました。

foorbar2000 をリモートコントロール

音質そのものとは関係がありませんが、foobar2000 は iPhone などの携帯端末からリモートでコントロールでき便利です。いくつか方法はあるようですが、私は iOS の MonkeyMote というアプリを試してみました (Lite はフリー)。同サイトから foorbar のプラグインを導入して、iPhone 側でアプリをインストールするだけです。自動でサーバーを登録でき、簡単に使用できます。

pc_audio_05.PNG

音のテスト

上記の変更を加えると随分と音質向上が望めました。上の構成でデモ動画を撮ってみました。iPhone 撮影なので雰囲気だけですが…

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