新年あけましておめでとうございます。ただ今2014年の大晦日、深夜0時を回りました。先ほど アナログ音源のデジタル化 という記事を書いている途中で、少しおもしろいことが起こったので、ここに書き残しておくことにします。まあ、それほど大したことではないのですが。
ヤフオクで先日 Chick Corea の Return to Forever のLPを落札したのですが、ちょうど 先の記事 に書いたようにアナログ音源のデジタル化を行なっていた時に、出品者の方から「誤って Chick Corea の Crystal Silence を送ってしまっていないですか?」との連絡のメールが入りました。私は同じ出品者の方から他にも10枚ほどLPを落札しており、ひとまず到着したLPの枚数だけ確認して、荷物をそのままにしていたので、あわてて中身を確認してみました。たしかに手元には “Return to Forever” ではなく “Crystal Silence” が届いていました。同時期に販売されたこの二枚のアルバムは、両方とも Chick Corea の作品の中でもとりわけ有名なもので、ともに青っぽいジャケットです。前者は通称「かもめ」と称されるアルバムで、その中には “Crystal Silence” という曲が含まれます。
まあ、たくさん注文したので間違えることもあり得るな、と妙に納得して、すぐに返送する旨を出品者の方へメール返信したのでした。しかし、せっかく手元に届いた Crystal Silence にも針を落としたくなる衝動を抑えきれませんでした。折しも、アナログ音源のデジタル化の作業を行なっていたので、「申し訳ないかな」という気持ちはありつつも、レコードに針を落とし音源を Mac に取り込ませてもらいました。つい昨日までレコード音源をデジタル化する術をもっていなかった私にとって、まさにタイムリーでした。レコード両サイドの録音を終わり、コンビニまで急ぎ誤って送られてきた Crystal Silence を返送したのでした。
さて、こうして間違って手元に届いた Crystal Silence は、ヴァイブラフォン奏者のゲイリー・バートンとのアコースティックピアノでのデュオで、非常に透明感のある作品。1972年の録音で ECM 初期の名盤。ジャケットの写真の、青白く静かな空と雲の風景の中に、うす赤い朝の太陽が輝いているイメージは、この作品にとてもマッチしているように思います。まさに張り詰めた明け方の新鮮な空気が感じられる作品です。出品者の方、レコードに一度だけ針を落としたことをお許しくださいませ。
ところで、この記事を書いている今は、日付変わって新年1日になっています。2015年の幕開けです。なんと、タイミングの良い。私はこの偶然を利用して、少し寝て1日の朝、この音楽を携えて、初日の出を見ることにします。なんとも1月1日の朝にふさわしい音楽のような気がしてきました。「水晶のような澄んだ静寂」。私にとって「小さなお年玉」でした。