先日 FreeBSD をデスクトップで使用するための設定について少し書きました。以来一週間ほど、このマシンで日常の作業を行なっていますが、特にストレスなく行うことができています。CPU は省電力 (TDP 35W) の Intel CPU Core I3-3220T (2.8GHz) を載せましたが、この CPU はそれほど高負荷の作業を行わない限り、おおむねデスクトップ用途でも問題はないようです。
一方で FreeBSD の方は、なかなかデスクトップ用途としては一般向けとは言えそうもありません。UNIX 系の OS をデスクトップ用途で使用したいならば、やはり素直に情報の多い Ubuntu や Fedora などを導入する方がよいと感じました。しかし、せっかくですので勉強も兼ねて FreeBSD ともう少し付き合ってみたいと思います。
さて、今回はこの FreeBSD で DVD の再生やバックアップ、動画のエンコードなどを行なってみたいと思います。FreeBSD をデスクトップとして使うため DVD の閲覧ができることを第一の目的としますが、それ以外にも動画処理など高負荷の作業下でこの CPU がどの程度働くか確認してみたいと思います。
Mount CDROM/DVD
まずは ここ を参考にして、CDROM/DVD を一般ユーザーでマウントできるようにします。
/etc/sysctl.conf
に以下の行を追加します。
vfs.usermount=1
以下のコマンドなどでデバイス名を確認します。
# camcontrol devlist <OCZ-AGILITY4 1.4.1> at scbus0 target 0 lun 0 (ada0,pass0) <Optiarc DVD RW AD-7700T 1.U1> at scbus3 target 0 lun 0 (cd0,pass1)
次に、すべてのユーザー (operator group) が /dev/cd0 ドライブをマウントできるように /etc/devfs.conf
に以下のラインを追加します。
## allow member of operator to mount cdrom own /dev/cd0 root:operator perm /dev/cd0 0660
ユーザー (hoge) を operator グループに加えます。
# pw groupmod operator -m hoge
確認するには以下を実行します。
# id hoge uid=1001(hoge) gid=1001(hoge) groups=1001(hoge),0(wheel),5(operator)
以上で一般ユーザーが CDROM/DVD をマウントできるようになりました。
$ mkdir ~/cdrom $ mount_cd9660 /dev/cd0 ~/cdrom
アンマウントするには以下のコマンドを実行します。
$ umount ~/cdrom
DVD の再生
次に、ここ を参考にして DVD 再生のための設定を行いました。
DVD デバイスファイルを起動時に自動で作成するように /etc/devfs.conf
に以下を記述します。
link cd0 dvd link cd0 rdvd
ここで一旦再起動をかけます。
DVDの再生にはリンク先同様 xine
を使用することにします。
$ xine dvd://dev/dvd
DVD 再生は途中で固まったりせず、スムーズに行うことができるようです。
DVD のバックアップ/動画処理
dvdbackup
と mkisofs
で DVD のバックアップをとってみました。
$ dvdbackup -i /dev/dvd -M -o ~/Movies -n test $ mkisofs -input-charset utf-8 -dvd-video -o ~/Movies/test.iso ~/Movies/test $ rm -rf ~/Movies/test $ du -h ~/Movies/test.iso 4.2G /home/hoge/Movies/test.iso
この ISO ファイル (test.iso) を HandBrake を使用して mp4 に変換してみます。
$ cd ~/Movies $ HandBrakeCLI -i test.iso -o test.mp4 -e x264 -q 20 -B 160 Encode done! HandBrake has exited. $ du -h test.mp4 698M test.mp4
このようなエンコード作業になると少し苦しそうです。GNOME のシステムモニタのリソースを眺めていると CPU の使用率がほぼ 100% となりました。
しかし、途中でマシンが止まってしまう、ということはありませんでした。変換時間は1時間ほど (test.iso, 4.2G –> test.mp4, 698M)。
私はこれくらいの作業が行えればほぼ満足なので、Core I3-3220T はデスクトップ用途でも十分使用出来る CPU と言えそうです。高負荷時の CPU 温度はだいたい 48–53C といったところです (cf. FreeBSD で CPU 温度を調べる)。
# kldload coretemp # sysctl dev.cpu | grep temperature dev.cpu.0.temperature: 51.0C dev.cpu.1.temperature: 51.0C dev.cpu.2.temperature: 53.0C dev.cpu.3.temperature: 52.0C
ちなみに、法改正により DVD のバックアップは保護解除をしない私的利用に限られるようになりました。今回はあくまで高負荷作業のテストとして。
最後に Core I3-3220T のレビューへのリンクを貼っておきます。