iPad や iPhone でサンスクリット文字を入力したいことがあります。ここではデーヴァナーガリー文字ではなく、ローマナイズされた IAST (International Alphabet of Sanskrit Transliteration) と言われる転写方法で用いられるダイアクリティカルマーク付き文字を入力する方法を紹介してみます。
一番良いのは、必要なユニコードの文字を登録したキボード自体を追加することですが、どうやら JailBreak (脱獄) しなければ今のところできないようです。Cydia からは以下の Pictokeyboard が利用できるようです。
ただ私の iPad は脱獄していませんので、一般的に利用できるアプリの範囲で入力してみたいと思います。
まず標準機能で主なアクセント付き文字は入力できます。下図のように目的のアルファベットを長押しするとポップアップ表示で文字が選択できるようになります。
(イメージは Keyboard Shortcuts and Typing Tips for your iPad, iPhone or iPod Touch より)
これでいくつかの目的のサンスクリット文字は入力できるのですが、すべてを網羅できません。ここへ必要な文字を加えることができれば理想的なのですが、残念ながら標準機能ではできないようです。
そこで App Store を検索してみると UniKeyiPad が見つかりました。このアプリでは、自分の必要な文字をキーボードに登録して使用出来ます。
IAST の文字を以下のように登録してみました。並び順は適当ですが、私が普段パソコンのキーボードで入力している場所に合わせてみました。
大文字も別のキーボードとして登録しました。
このままここで入力した文章をメールで送ることができます。他のアプリケーションで使いたい場合、ここで入力した文字をコピー&ペーストします。
例えば Safari にペーストして辞書で意味を調べる、といった使い方ができます。
あるいは 以前の記事 でご紹介したように EBPocket などの辞書で意味を調べることもできます。
もうひとつ Unicode Maps というアプリを試してみました。これも先ほど同様にオリジナルのキーボードを作成して利用します。
こちらのアプリはその名前の通り Unicode の各ブロックごとの詳しい文字情報を簡単に調べることができます。調べた文字をキーボードに加えたり、コピーしたり、Wikipedia で調べたり、と操作性はかなりよい印象です。
次の画像のように “ある” 文字からそれに形が類似する文字を検索することもできます (“n” から “ñ” や “ṇ” などが簡単に検索できる)。
このアプリではメール送付に加え、Twitter へそのまま投稿することもできるようです。Twitter と Evernote 等を連携させてメモ替わりに使用している方もいらっしゃるでしょうから、気になったフレーズをメモとして Twitter に投げておくと便利かもしれません。
ちなみにここまで書いて気づきましたが、上のフレーズには “te” (「あなたが」認めている) が抜けてます。ミーターから気づいた方もいらっしゃったかもしれません。すみません。
yaḥ pratītyasamutpādaḥ śūnyatā saiva te matā /