坊主と iPad (3)

今回は iPad で利用できる仏教関連の辞書について書いてみます。

App Store で「辞書」をキーワードに検索してみるとかなりの数ヒットしますが、仏教関連の辞書はまだほとんど見当たらないようです。一方で EPWING という昔からある辞書形式では、いくらか仏教用語に強い辞書があります。この EPWING 形式の辞書を iPad/iPhone で利用するには EBPocket を利用すればよいと思います。このアプリは複数の辞書をまとめて検索する「串刺し検索」や、他のアプリと連携して検索する機能も備えており、EPWING 辞書をたくさん持っているならば利用しない手はないと思います。

EB series support page には市販の CD-ROM 等の電子辞書からこの EPWING への変換するツールがいくつか紹介されていますが、この中で仏教関連の辞書で有用なものとして、まず 岩波仏教辞典第二版 があげられると思います。

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また、百科事典系の辞書にもかなり詳しく仏教用語が載せてあります。例えば、世界大百科事典 の仏教語のリンクをたどってみると、その執筆者には、定方晟、松本史朗、横山紘一、柳田聖山、山口瑞鳳、末木文美士、加藤純章、田中教照、荒牧典俊の諸先生方などそうそうたる面々の名が連ねられてあります。

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その他の百科事典では、MyPaediaブリタニカ国際大百科事典 などにも専門的な仏教用語が詳しく説明されています。

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また、EBPocket では Wikipedia などのオンライン辞書を検索することもできます。

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オフラインでも Wikipedia を検索したいという方は、Boookends から EPWING に変換済みの Wikipedia データが Download できますので、容量に余裕があれば iPad に入れて利用することもできます。

以上紹介した5つの辞書だけでもかなりの数の専門的な仏教用語の詳しい説明を iPad/iPhone 上で知ることができます。

また、先にも少し書きましたが、この EBPocket は一部のアプリとの連携も実現しています。たとえば i文庫HD で電子書籍を読んでいて、分からない用語が出てくれば、この EBPocket へジャンプして調べる、という使い方ができます。今の場合、電子化された (文字情報を含む) 仏教関連の書籍を i文庫HD で閲覧中に、分からない仏教用語を EBPocket に入れている岩波仏教辞典などで調べることが可能となります。

検索したい単語 (例えば「しんらん」) を選択して「その他」を選びます。

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外部プログラムの選択画面が現れるので EBPocket を選びます。

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EBPocket で i文庫HD で選択した検索語の結果が返ってきます。

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EPWING 自体は、この先この形式で新しい辞書が増えていくということはまずないでしょうが、今でも過去に蓄積された膨大な量の辞書データが利用できます。オークションサイトで epwing/ebxa 等を検索してみると掘り出し物の辞書がみつかるかもしれません。

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