先日の続きでもう少しだけ iPad の利用について書いておこうと思います。今回は難解な仏教用語をどのようにして iPad/iPhone へ辞書登録するか、というトピックです。
さて、先日の記事で研究会や講演会などに iPad を利用しているということを少し書きましたが、我々の参加する研究会などでは標準のパソコンの変換予測に出てこないような仏教用語が頻出します。長く利用してきたパソコンではこうした専門用語を登録して使用している方がほとんどでしょう。例えば、
観経には、頻婆娑羅王と韋提希夫人、その子阿闍世の間で起こった王舍城の悲劇が説かれ…
などの文章は、単語登録されているパソコンではあまり時間をかけずに入力することができます。一方でこの文章を iPad や iPhone で入力しようとすると一苦労です。ところが、真宗関連の講演会などではこの様な単語はしょっちゅう出てきます。咄嗟にメモを取る時にすぐに変換できないとストレスになります。
iOS5 ではユーザー辞書登録が可能です。「設定」「一般」「キーボード」と辿れば「ユーザー辞書登録」の画面が現れます。「韋提希」「阿闍世」など、ひとつひとつ頻繁に入力するものを登録していけばよいのですが、パソコンに登録されているものを iPad にも再度登録しなければならない、という面倒はできれば避けたいところです。一括で登録できないはずはないと思うのですが、現在のところ (iOS 5.1)、このような辞書一括登録の機能はまだ実現されていないようです。
すこし手順はややこしいですが次のページで説明されている方法にしたがうと、一括で辞書が登録できるようです。
この説明では iOS 4 で行なっているので iOS 5 で行うには若干工夫が必要ですが、コメント欄を見ると可能なようです。あまり推奨はされないでしょうが、私も実践してみました。まずは、私のパソコンに登録されている単語を抽出するところから始めましたが、全部で 144,114 語登録されていました。私は「Google 日本語入力」を使用していますが、辞書の書き出しはどの入力メソッドを利用していても可能だと思います。
これらの仏教用語は、自分で登録したものも一部ありますが、ほとんどが Web 上で公開されているものを機械的に登録しただけです。
これらをすべて iPad のユーザー辞書に入れてみました。次のように「ユーザー辞書」が充実します。
設定画面の動きが少し鈍くなったので、このあたりがまだ正式にサポートされていない由縁かもしれません。しかし、上限なくユーザー辞書の登録がサポートされているのですから、将来的にはこうした方法をとらずとも一括で登録できるようになると思います。一つずつ何年もかけて登録するのも、一括で登録するのも、機械にとっては同じ事でしょうから…
これで iPad からも多少は入力しやすくなりました。